1982 年 7 巻 3 号 p. 210-218
集合的に顔面を形づくっている解剖学的構造は, 通常そのおのおのが同時に成長発育し, また生涯を通じて機能時に互いに依存しあっている。この様な動的平衡において, 天然歯の喪失というようなある破壊的なでき事は, 残存する健常な部位の形態と機能に非常に大きな影響を与える。
無歯顎患者の顔貌は人工歯を適切な位置に排列することにより, 天然歯が存在した時と同じように回復することができる。したがって, 人工歯を用いて顔面形態とその機能の調和を作り出すことは, 補綴臨床では最も重要な生物学的挑戦である。
今回, 無歯顎患者の顔面の審美性を回復する指標を得るため, モアレトポグラフィーを用いて顔面の分析を試みた。