日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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Snare biopsyによるGiant Rugaeの診断
多田 正弘村田 誠水町 宗治嶋田 正勝有馬 功三良岡 紳爾柳井 秀雄村上 不二夫相部 剛岡崎 幸紀竹本 忠良木下 善二木下 久美子関谷 智雄
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1984 年 26 巻 6 号 p. 828-832_1

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抄録
 巨大すう襞症の生検組織学的研究の現状をみると,現在の生検鉗子が不十分であることにより,正確な判断がされていない.そこで,われわれは,内視鏡的に巨大すう襞症と診断した7症例にOttenjanの方法に準じたSnare biopsyを施行し,12~43mmの大きさの生検組織を採取した.全例において,粘膜下組織までの深さの標本が得られていた.生検組織学的に,巨大すう襞症の成因は,1例に単純性肥厚はみられたが,他の症例においては,粘膜の肥厚はみられず,粘膜下層の腫大が,その成因と考えられた.Snare biopsyにより採取した生検組織は,挫滅も少く,生検施行時の疼痛,出血などの副作用もみられなかった.また,生検による潰瘍も7日~2週間にて完全に消失した.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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