抄録
消化管のX線診断および内視鏡診断情報をコンピュータ処理するためにAmerican College of Radiology (ACR)によるIRD(Index for Roentgen Diagnoses)コードの修正・追加を行なった.IRDは解剖コード, 病理コードから成るが,われわれは前者を部位コード,後者を診断コードとして分離し,二つのコード体系をX 線診断および内視鏡診断の両方に使用可能なように修正した. 部位コードでは,食道・胃・十二指腸において高さの表示だけでなく,壁在性の表示ができるようにし,診断コードでは,潰瘍および腫瘍の部分にわが国の診断学の実状に沿う形で修正を加えた. このような診断情報をコード化する作業はコンピュータを実際に利用するための第一段階としてもっとも重要なものである.