抄録
在来急性胃炎の内視鏡的分類については、あまりまとまった報告は見られない様に思われる.ことに胃体部に見られる急性胃炎の内視鏡的な分類・経過観察については,ほとんど記載がみられない様である.そこで著者らは,日常よく見られる急性胃炎の中から,胃体部にみられる症例を選び出し,それらを所見別に分類し,かつその症状,誘因,経過観察などについて検討してみた. 検索対象症例は42例であり,これを内視鏡所見から,帯状発赤のみられるA型,帯状に配列した出血性びらんの認められるB型,帯状に白苔をつけたびらんの認められるC型に分類した.X線所見は一般に軽微であり、これらの所見は、内視鏡によって初めて検出,分類が可能であった.この様な内視鏡所見の記載と分類が,急性胃病病変の解明に役立つものと思われる.