日本消化器内視鏡学会雑誌
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超音波体腔内走査法による腹部疾患の診断第1報:電子リニア走査形胃超音波内視鏡(プロトタイプ)の評価
山中 桓夫酒井 秀朗吉田 行雄川本 智章上野 規男熊谷 真知夫堀口 正彦長沢 貞夫田中 昌宏関 秀一井戸 健一木村 健
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1982 年 24 巻 4 号 p. 598-607

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抄録
 最近開発された電子リニア走査形超音波内視鏡を胃疾患3例(進行癌1,粘膜下腫瘍2),肝疾患2例(Amyloid tumor 1,転移性肝癌1),肝道疾患1例(胆嚢癌),膵疾患2例(膵癌1,膵石症1)の計8例に応用し,その性能および臨床的意義について検討した. 胃自体あるいは胃周囲臓器(肝,胆嚢,膵,腎,大動脈等)の描出が可能であり,従来の体外走査に比べより明瞭な画像が得られた.しかし,巨大な腫瘤性病変ではむしろ体外走査が優れており,上記諸臓器の比較的小さな病変に有用であった. 今回試作された装置は,種々改良されるべき点を有するが,特にスコープの先端に長さ5cmの探触子(直硬部)を有し,その後部に側視方向の視野をもつため,操作性に難があり,視野をスコープの先端に置くことが急務と考えられた. いずれにせよ,今後の改良により消化器病診断の有力な武器になると確信された.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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