抄録
【背景・目的】ERCP時の放射線被曝を明らかにし,研修会がスタッフの被曝と防護の認識向上に寄与するかを検討する.
【方法】個人線量計のデータを解析し,透視室でファントムを用い検証実験を行った.その後,被曝と防護に関する研修会を行い,参加者の意識と個人線量計データの変化を検討した.
【結果】スタッフの被曝に関する認識は不十分であった.検証実験を通じ,立ち位置や高さにより被曝線量は変動し,汎用の防護具の散乱線遮蔽効果は十分であると判明した.研修会の施行により,被曝と防護の認識向上と被曝線量軽減を認めた.
【結論】被曝線量の検討や研修会の実施,有効な遮蔽板の使用は放射線被曝と防護に対する認識向上に寄与した.