抄録
気候変動により洪水リスクが世界中で高まっている。社会基盤整備手法であるグリーンインフラは,気候変動適応と都市のネイチャーポジティブ経営の観点から期待を寄せられている。コペンハーゲン市の気候変動適応に向けたクラウドバーストプランは,議会承認を経て2015年から20年かけて事業が推進されている。本稿は,行政計画とコペンハーゲン市・ランドスケープ設計事務所へのヒアリングから,クラウドバーストプランの継続的な実施と展開を明らかにすることを目的とした。結果,計画から空間整備へ至る具体的な事業がウォーカブル都市を目指した道路再編と領域横断で進んでいること。課題を踏まえた市のプロジェクトフレームワーク見直しの実態を明らかにした。