ビタミン
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はじめに(ビタミンB研究委員会 : シンポジウム : ビタミン依存症)
能勢 善嗣
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1978 年 52 巻 3 号 p. 139-

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抄録
ビタミン依存症(vitamin dependency)の病因としての基盤はビタミンを補酵素成分とする酵素あるいはその酵素作用に影響を持つ代謝系の酵素の欠損又は活性低下にあると考えられる.従って多くは酵素欠損に基づく代謝中間体の異常蓄積が認められこれを血液や尿に証明できる.しかしその臨床症状の発現は多種多様であり, 又ビタミン投与によく反応するケース, 全くレスポンスを示さない症例が見られる.欠陥酵素の証明も対象がヒトであるためその試料の取扱いが困難である.しかし最近特に小児科領域における先天性代謝異常の研究の進展は著しいものがあり, 幾つかの症例が報告され, 異常代謝物質の証明や酵素と補酵素との関連についての研究, 更に進んでその治療法が報告されるに至っている.これらの研究はビタミンの医学領域における一つの重要な課題になったといえる.本日の話題はビタミンB_1,B_6,B_<12>に限られているが, シンポジウムがこの方面の研究の進歩に寄与するものと考える.
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© 1978 日本ビタミン学会

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