ビタミン
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アスコルビン酸糖化合物の酵素的生成(予報)
三宅 俊雄鈴木 幸雄
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1971 年 43 巻 5 号 p. 205-209

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抄録
マルトースとNaAsAの混液にAsp.nigerの部分精製したトランスグルコシダーゼを作用させPCで分析した。R_F値がAsAより小さくて, 2,6ジクロルフェノールインドフェノールおよび硝酸銀を還元する2種のスポットが酵素反応により生じた。AsAおよび酵素反応による新生物質を塩基性の鉛化合物として沈でんさせ, 遊離の糖およびその他の夾雑物を除去した。この精製液を展開剤n-ブタノール : 酢酸 : 水(4 : 1 : 5)で展開したときR_F値をAsAのR_F値と比較すると0.41と0.23の2種のスポットを示した。この精製液は硫酸およびAsp.nigerの部分精製したトランスグルコシダーゼにより加水分解されグルコースを生ずるが, 酵母のα-グルコシダーゼでは加水分解されにくかつた。以上の結果からアスコルビン酸グルコシド類似物質およびそれの少糖類類似物質の生成を指摘した。
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© 1971 日本ビタミン学会

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