抄録
アクリル系エマルション粘着剤の増粘メカニズムを明らかとするため、超小角X線散乱法によるエマルション粒子の構造解析を試みている。以前の課題実験(課題番号2012B1512)で行ったエマルション粒子の形状因子の評価により、使用しているエマルション粒子の粒径は130 nmで粒子径の分布も小さいことが分かっている。このエマルション粒子のトルエンによる膨潤挙動を詳細に調べ、トルエン添加により粒子径が130 nmから190 nmにまで大きくなることが分かった。散乱強度の変化はトルエンによる膨潤によりエマルション粒子内の電子密度が小さくなると仮定した計算で再現できた。