SPring-8/SACLA利用研究成果集
Online ISSN : 2187-6886
Section A
硫化水素ハイドレートの結晶構造
茂筑 高士星川 晃範八久保 晶弘勝矢 良雄田中 雅彦小西 繁輝坂田 修身
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2022 年 10 巻 2 号 p. 171-175

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抄録
 硫化水素ハイドレートは、水分子が作るカゴ構造に、ゲスト分子として硫化水素を内包した化合物である。硫化水素は極性が強いことから、水分子との相互作用により、カゴ構造内のゲスト分子の偏心が期待される。その詳細を調べるために結晶構造解析が必要となるが、非常に毒性が高いため、分解して硫化水素が発生した場合を考慮すると、実験室系X線回折装置を使うことは不可能である。今回 BL15XU の高分解能粉末X線回折装置を用いて微量の試料の測定を行い、結晶構造の解析を行った。その結果、硫黄原子は、水分子が作るカゴ構造の中心付近に位置しているが、若干の偏心が示唆された。
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