2024 年 28 巻 1 号 p. 196-203
レール継目部に井桁状まくらぎを使用したバラスト軌道を対象とした,バラスト道床の不可逆変位の評価解析法を構成した.提案手法は車両・軌道系の連成振動解析と弾塑性モデルを用いたバラスト道床繰り返し変形解析とを組み合わせて構成している.軌道振動解析モデルははり・ばね・ダッシュポット・質点を組み合わせたモデルとし,井桁状まくらぎは弾性床上の変断面はりでモデル化する.一方,バラスト道床の繰り返し変形挙動は,cyclic densificationモデルにより弾塑性応答を表現し,軌道振動解析により評価した通常まくらぎ・道床間作用力の最大値,および井桁状まくらぎ反力分布の各一定区間における反力値の最大値を作用外力として与えた有限要素法により評価した.簡単な解析例を通して,井桁状まくらぎでは,バラスト道床上面の鉛直残留変位は通常まくらぎの場合の半分程度に抑制されることがわかった.