感染症学雑誌
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急性Q熱の2例
木村 京子大西 健児
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1999 年 73 巻 12 号 p. 1236-1240

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抄録
Q熱はCoxiella burnefiiの感染症であり, 日本では極めて稀な疾患であると考えられていた. 今回, 23歳と30歳の日本人男性の急性Q熱を経験した. 前者はネパールあるいはチベットで, 後者は日本での感染と考えられた. いずれも発熱, 頭痛があり, 血清のASTおよびALTの軽度上昇を認めた. 両者ともにC. burnetiiに対する抗体が陽性で, 血清中にC. burnefiiのDNAを検出したことからQ熱と診断し, 症状は自然に改善し病悩期間が6カ月未満であることから急性と判断した. 発熱, 頭痛, 軽度の血清ASTおよびALTの上昇を呈した患者に遭遇した場合, 海外旅行の有無にかかわらず, 日本でも急性Q熱は考慮すべき疾患の一つである.
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© 日本感染症学会
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