抄録
Mycoplasma. pneumoniae新鮮分離株50株について, macrolide系抗生物質に対する感受性を寒天平板希釈法による最小発育阻止濃度およびM. pneumoniaeのL細胞感染系で測定した. 寒天平板上で50株中38株 (75%) に対する抗生物質の阻止濃度はerythromycinおよびrokitamycin (0.007μg/ml) josamycin (0.015μg/ml) kitasamycin (0.03μg/ml) であった. 一方, L細胞感染系では, その除去濃度は寒天平板上でのMICとは必ずしも一致せず, erythromycinでは菌株によってはMICの約10倍の薬剤濃度が必要であった. これにたいし, rokitamycin, josamycin, kitasamycinではその濃度はMICとほぼ一致した.
また, M. pneumoniae感染L細胞をrokitamycinで処理すると, 細胞表層に付着しているM. pneumoniaeの消失がDNA染色で認められ, 薬剤が細胞感染系でもM. pneumoniaeに作用していることが確認された.