土壌の物理性
Online ISSN : 2435-2497
Print ISSN : 0387-6012
広帯域インパルス信号を用いた時間領域透過法(TDT) による誘電特性の計測
宮本 英揮伊藤 直樹安永 円理子高市 信也間瀬 淳筑紫 二郎
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2008 年 110 巻 p. 3-12

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抄録
広帯域インパルス信号を利用した時間領域透過法(TDT)による見かけの誘電率および電気伝導度の同時計測法を確立するために,自作した小型TDTプローブにより,誘電特性の異なる種々の媒質中を伝播する透過信号のTDT波形を計測した。最も短時間で感知部を伝播した信号(第一信号)を解析した結果,第一信号のピーク時間から見かけの誘電率,ピーク電圧から電気伝導度をそれぞれ決定することができた。感知部が長いTDTプローブほど電気信号の減衰が大きいため,計測可能条件は制限されるものの,見かけの誘電率および電気伝導度は高精度で決定できることが確認された。また,従来の時間領域反射法(TDR)との比較により,TDRと同程度の精度を確保するためには,TDTプローブの感知 部長をTDRの場合より長くする必要があることが分かった。
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© 2008 土壌物理学会
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