1997 年 6 巻 3 号 p. 214-219
慢性肺気腫患者に,10分間歩行距離検査とトレッドミル漸増運動負荷試験を施行し,運動能評価法の有用性について比較した.さらに,呼吸リハビリテーション前後における吸気閾値負荷試験の検討も行った.10分間歩行距離とトレッドミル試験の最大酸素摂取量との間に有意な相関が得られた.呼吸リハビリテーション前後の比較では,10分間歩行距離と吸気閾値負荷試験の呼吸筋耐久力で有意な増加が認められた.運動能の評価は,目的や対象に応じて検査を選択することが,より重要であると思われた.