日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
Online ISSN : 2189-4760
Print ISSN : 1881-7319
ISSN-L : 1881-7319
症例報告
CPAP解析における波形解析の有用性
木戸 悠人奥田 みゆき加藤 悠人林 祐司藤本 風太
著者情報
キーワード: CPAP, 内部データ, Flow波形
ジャーナル フリー HTML

2020 年 29 巻 1 号 p. 158-161

詳細
抄録

【緒言】CPAP(continuous positive airway pressure)装置自動検出によるAHI(Apnea Hypopnea Index)とOCST(out of center sleep testing)によるAHIとが乖離するケースにおいて,波形解析が有効であった症例を報告する.

【症例1】68歳 男性.CPAP装置検出のAHIは3-6回/h程度で安定していた.しかしFlow波形の目視解析では,吸気波形の後に呼気波形を認めない波形が頻繁に記録されていた.OCSTを施行すると3%ODI(oxygen desaturation index):50回/h,REI(Respiratory event index):50回/hと呼吸イベントが多く残存しており,CPAP装置検出AHIと大きく乖離していた.

【症例2】63歳,男性.CPAP装置検出のAHIは1-3回/h程度で安定していたが,本人より睡眠が浅い気がするとの訴えがあり.波形解析を実施すると症例1同様の異常波形を認めた.OCSTを施行すると3%ODI:18.0回/h,REI:23.7回/hであった.

【考察】CPAP装置では検出できない呼吸イベントの把握において波形解析が有効であった.Auto CPAPが機能しないため,呼吸イベントの検出が不良であると推察された.更なるFlow波形の研究やArtificial Intelligenceによる画像解析によってCPAP装置の解析精度向上が望まれる.

著者関連情報
© 2020 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
前の記事 次の記事
feedback
Top