2017 年 27 巻 1 号 p. 65-69
【目的】当院市中肺炎患者における入院時栄養状態がADL能力に及ぼす影響を明らかにすること.
【方法】対象は当院へ市中肺炎の診断で入院となり,呼吸リハ介入を行いデータ収集が可能で生存退院された41名とした.調査項目は,年齢,性別,身長,体重,BMI,総入院日数,A-DROP,リハ開始日数,開始・退院時BI,BI効率,TP,Alb,Hb,経口・経腸栄養開始日数,GNRI,CONUTをカルテより後方視的に抽出した.
【結果】栄養良好群は,不良群と比較して退院時BIも有意に高かった.また退院時BIは,TP,Alb,経口・経腸栄養開始日数,GNRI,CONUTと有意な相関関係が認められた.退院時BIに最も影響を及ぼす因子として経口・経腸栄養開始日数が抽出された.
【結論】高齢市中肺炎患者において入院時の栄養状態を適切に評価し,早期に栄養介入をしながら呼吸リハを実施する必要がある.