日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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受賞報告
多職種の協働によって成功した北海道COPDコホート研究
牧田 比呂仁齋藤 拓志西村 正治
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キーワード: 臨床病型, 自然歴
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2017 年 27 巻 1 号 p. 11-14

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抄録

本研究は,新たな定義に基づき,COPDの病型ごとの臨床的特徴や自然歴を明らかにする目的で実施した,多施設共同の前向き観察研究である.COPD患者279例を登録し10年間追跡調査した.本研究の特徴は,長期間に亘り呼吸器薬の休止を含む肺機能検査を定期的に行い,1秒量の経年変化を正確に追跡調査したことにある.本研究の主な成果として,COPD患者の1秒量の経年推移は,個々により様々であることを明らかにしたことが挙げられる.つまり適切な治療下で,急速に肺機能が低下する病型から,比較的長期間肺機能が維持される病型まで,様々な病型が存在する.

本研究は,多種医療職の協働体制なしでは10年完遂することができなかった.研究事務局を中心に,各職種間の優れた連携を構築することができたこと,また研究趣旨に理解頂き,患者さんを含め一丸となり研究遂行のための協力関係を築けたことが,長期間の研究を成し遂げることができた大きな要因であった.

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© 2017 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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