日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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研究報告
慢性呼吸器疾患看護認定看護師育成の現状
淺川 久美子長谷川 智子石﨑 武志
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2016 年 26 巻 2 号 p. 297-300

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抄録

慢性呼吸器疾患看護認定看護師教育の目的は,安定期・増悪期・終末期における慢性呼吸器疾患患者とその家族のQOL向上に向けて,水準の高い看護を実践する能力を育成すること,慢性呼吸器疾患看護分野における看護実践を通して他の看護職者に対して,指導・相談ができる能力を育成することである.

慢性呼吸器疾患看護認定看護師(CNCR)活動の調査では,「学習会」等の教育活動が多い一方,「自己決定を尊重した看護の検討と実践」「ケースの倫理的問題についてのカンファレンス開催」が低い結果であった.認定看護師教育課程の限られた教育期間中に倫理的課題への意識が高まるよう,事例検討等,自らの実践と倫理的課題を結びつけられるような教育を実施していきたい.また,CNCRの活動の本質的な成果として,「慢性呼吸器疾患患者の入院期間の短縮」や「急性増悪患者数や再入院回数の減少」などQI(Quality Indicator)による貢献度の明確化が望まれる.CNCRによる介入で得られたアウトカムの明確化には,教育機関として支援していきたい.

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© 2016 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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