日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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ISSN-L : 1881-7319
原著
フローリミテーション対応オートCPAPで残存するフローリミテーションの臨床的意義
二宮 依里奈斎藤 拓志村下 留美辰己 佳子堀 龍太土田 幸弘福家 聡
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2016 年 26 巻 2 号 p. 219-224

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抄録

フローリミテーション(FL)で圧上昇する機能(IFLon)を備えたオートCPAPで治療してもFLは残存する.患者によっては鋸歯状に圧が上昇し不快感や中途覚醒の原因になる.そこで残存するFLが,治療すべき上気道抵抗なのか否かを検討した.オートCPAP中に残存するFL発生はarousalと無関係で深睡眠を妨げないことがPSGで確認でき,熟睡感も得られた.また鋸歯状の圧上昇は18%の患者で発生し,FLで圧上昇しない設定(IFLoff)にすると圧が下がって快適になり,しかし無呼吸低呼吸は悪化せず,FLはむしろ有意に減少した.ただしIFLoffでは低呼吸とarousalが残存し,設定再変更が必要であることがPSGで判明した患者が少数いた.本CPAP使用下のFL波形残存は上気道抵抗を意味せず,IFLonであれば残存FLは治療を要しない.鋸歯状の圧上昇を認めた場合,IFLoffにした上でPSGで確認すべきである.

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© 2016 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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