日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌
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総説
COPD患者の栄養指導の実際
野村 浩一郎
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2007 年 17 巻 3 号 p. 280-283

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抄録

COPDの管理における栄養指導の目的は体重増加に伴う病態の安定,急性増悪の回避,運動療法との相加効果といった具体的な目的意識を患者と共有することが大切である.栄養障害の評価では,動的体重減少の有無を絶えず意識し,急性増悪期からの栄養介入と安定期の栄養介入を区別して行う必要がある.栄養障害のある患者の問題点は,主観的包括的評価(SGA)と客観的栄養評価(ODA)により明らかにして個別的なプランニングを行う.栄養指導は早期から介入するが,段階的に目標摂取カロリーを上げながら患者をドロップアウトさせないように注意を払う.カロリー摂取は,呼吸商の面から脂質主体が望ましいが患者の嗜好も重視して継続できる内容とする.呼吸リハビリテーションにおける栄養指導は,常に運動療法との関係を意識したものでなければならない.

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© 2007 一般社団法人日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
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