日本門脈圧亢進症学会雑誌
Online ISSN : 2186-6376
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原著
門脈圧亢進症と筋肉量,BTRからみたChild-Pugh Aの初発ミラノ基準内肝癌根治術後の予後因子
多田 藤政平岡 淳矢野 怜橋本 悠小泉 洋平徳本 良雄廣岡 昌史竹下 英次阿部 雅則二宮 朋之日浅 陽一
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2023 年 29 巻 1 号 p. 20-26

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抄録

【背景/目的】門脈圧亢進症合併症例の予後改善やサルコペニア進展阻止のため栄養介入をすべき症例の臨床像は未だ明らかではない.栄養介入を開始すべき臨床像を明らかとする.【対象/方法】2021年12月までに当院で診断した初発肝癌患者408例.肝予備能評価にはmALBIを用い,門脈圧亢進症(PHT)は食道胃静脈瘤F2以上/治療歴ありとした.BTR 4.4以下をアミノ酸インバランス(AAI)と規定して後方視的に生命予後を解析した.【結果】多変量解析で75歳以上,mALBI 2b以下,MVL, PHTが予後因子であった.AAIを予測するALBIは-2.586(AUC 0.789)であった.【結語】PHTがあれば,Child-Pugh AでもmALBI 1から2aへの過渡期にAAIがすでに起こりはじめており,MVLへの進展を防ぐために栄養介入を積極的に行うべきである.

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© 2023 日本門脈圧亢進症学会
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