日本口腔腫瘍学会誌
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口唇癌の温熱療法の経験
―温熱療法の効果についての検討―
津村 政則桜井 和裕吉賀 浩二高田 和彰
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1989 年 1 巻 2 号 p. 229-234

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抄録
今回, 我々は高度に進展した口唇癌に対して温熱療法を施行し, 温熱療法の効果について検討したので報告する。
温熱療法は2450MHzのマイクロ波温熱加温装置を用い, 原則的に週2回の加温間隔で施行し, 目的温度は43℃, 加温時間は40分以上とした。アプリケータは表在性腫瘍に適切と考えられる空間放射型 (HTA-2450-7) を使用した。
治療は手術を前提とした温熱療法, 化学療法, 放射線療法の併用療法を行った。
なお, 腫瘍は進展例であり, 温熱療法を施行するにあたり加温部位と非加温部位を設定した。
治療効果を肉眼的, 病理組織学的に検討した結果, 加温部位において抗腫瘍効果の増強が認められた。
患者は手術後2年5ヶ月経過した現在も, 再発, 転移等なく経過良好である。
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