抄録
XMLがW3Cの正式勧告となって2年半を経過した。その間にイントラネツトにおけるデータ統合やインターネットにおけるEコマースのような領域においてはXML適用の急激な進展が見られ、ブームのような活況を呈している。一方、本来の文書処理的な分野においては必ずしもXMLの導入が進展していない。この傾向は、日本のみならず、欧米においても見られるものである。ここでは、その状況を正確に把握するためにXMLを生み出した今日のネットワーク社会の進展経縛をビジネスおよび技術の観点から歴史的に把握するとともに、XMLの最新の技術動向とその背景となる市場動向、さらにXMLの及ぼす社会的なインパクトなどを国際会議の論文を通じて紹介する。最後に技術的な最大の課題であるDTDの問題、XMLを適用してゆくにあたっての日本の社会組織の課題などについて考察する。