日本集中治療医学会雑誌
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知覚麻痺を伴う麻痺部位における血管内皮機能低下が認められた脳梗塞の1症例
松島 吉宏高瀬 凡平広岡 伸隆浜部 晃上畑 昭美里村 公生大鈴 文孝栗田 明
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2001 年 8 巻 4 号 p. 347-349

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抄録
脳梗塞による知覚麻痺と同部位の血管内皮機能低下を認めた症例を経験したので報告する。症例は45歳男性,磁気共鳴画像(magnetic resonance imagings, MRI)検査で左中大脳動脈領域に脳梗塞像,右上下肢で知覚麻痺を認めた。冠動脈造影で左前下行枝近位部に完全閉塞を認めた。Flow guidewireを左冠動脈回旋枝および左右上腕動脈に留置し,アセチルコリン持続投与にて血流量を測定し,血管内皮機能を検討した。冠動脈,左上腕動脈で血流量は2.4および1.5倍に増加したが,右上腕動脈(麻痺側)では増加が認められなかった。知覚麻痺が局所的な血管内皮機能低下に関与すると示唆された。
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