日本集中治療医学会雑誌
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持続的血液濾過透析(CHPF)はサイトカインを除去するか
Non-Renal Indicationを目指して
平澤 博之松田 兼一菅井 桂雄織田 成人
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1998 年 5 巻 4 号 p. 345-355

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抄録
Continuous renal replacement therapy (CRRT)として普及してきた持続的血液浄化法の中でも,持続的血液濾過透析(CHDF)は現在本邦においてICUなどで盛んに施行されている。CHDFによるサイトカインの除去を介して,腎不全以外の疾患に対してもCHDFの有効性を期待するという適応,すなわちnon-renal indicationに関しては未だ賛否両論がある。しかし我々の検討では,サイトカインのCHDFによるクリアランスはその血中濃度が高いほど良好であり,かつ血中濃度が高い症例においては,CHDFによりその血中濃度は有意に低下し,その結果臓器障害の程度は軽減した。またCHDFによるサイトカイン除去に関しては,CHDF本来の物質除去原理である拡散や濾過以外にヘモフィルター膜への吸着が重要な要素となっており,その意味からはpolymethyl methacrylate(PMMA)膜からなるヘモフィルターを用いるのが適当であると考えられた。
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