2025 年 81 巻 15 号 論文ID: 24-15022
供用環境下における振動計測から免震橋梁の残存耐震性能を評価することは,ライフサイクルマネジメントの観点から重要である.この際,経年変化したゴム支承の力学的特性に関する不確定性の定量化が求められるが,既存橋梁のパラメータは径間毎にもばらつきを有する.本研究では,5径間連続RC免震橋の2次元有限要素モデルを対象に地震応答シミュレーションを用いたベイズモデル更新の数値的検討を行った.その結果,径間毎に桁または橋脚天端の複数地点を観測することで,逐次モンテカルロ法の一種であるTMCMCにより求めた事後分布は経年変化したゴム支承のパラメータ不確定性を径間毎の変動性を含めて適切に評価可能であり,推定結果は計測ノイズに対しても比較的頑強であることを明らかにした.