2024 年 80 巻 18 号 論文ID: 24-18072
コンテナターミナル(CT)の脱炭素化において,ディーゼルエンジンを搭載した荷役機器の脱炭素化が重要項目のひとつである.現時点では,駆動エネルギー源の電動化が最も効果的な対策であるとされているが,タイヤ式門型クレーン(RTGC)は運用の自由度を維持したいニーズや,費用面あるいは面積的制約から地上給電化のためのインフラ整備を行えないCTもある.RTGCを水素駆動型にすることで,従来の運用パターンを変えることなく大きな脱炭素効果が期待できるが,現時点では水素の利用に対して技術面と運用面での課題が認識されている.
本研究では,水素駆動型RTGC実証機を製作し,実荷役を模した試験を実施することで従来型同様の荷役作業に使用できる運転条件と水素消費量の特性を検証する.更に水素充填における課題を抽出し,その管理方法を提案する.