2024 年 80 巻 17 号 論文ID: 24-17134
北向きの沿岸漂砂が卓越する清水海岸のL型突堤~4号消波堤間(消波堤区間)では,景観に配慮しつつ侵食対策が進められてきており,とくに既設1号突堤と新設予定の2号新堤周辺の地形変化に注目した検討が行われている.一方,消波堤区間の北端に位置する4号消波堤の下手側では,養浜が行われてはいるものの,沿岸漂砂量の減少により徐々に侵食が進んできており,消波堤区間では養浜により浜幅が大きく広がったのと対照的に,汀線後退が受容できない水準に近づいている.本研究では,消波堤区間と4号消波堤北側での地形変化の相違に着目しつつ,4号消波堤付近での侵食の実態について調べ,その上で今後の侵食対策では養浜の継続が必要なことを明らかにした.