2024 年 80 巻 12 号 論文ID: 24-00143
近年は活動の場がサイバー空間に移行して外出せず生活できるようになりつつあり,健康面等での問題が懸念される.このような中で活動の場を実空間に取り戻すRX(Real Space Transformation)には,肯定的な感情をもって外出する人を増やすことが重要になる.本研究では独自アンケートを用い,外出が嫌いな人(n=588)を対象として外出に対する否定的な感情をもたらす要因を分析し,それを取り除く方策を検討した.その結果,外出のコストや他者との関わりに負担を感じること,健康や巡り合いに価値を感じないこと,サイバー空間を好み外出の必要性を感じないこと,外出先の活動や人間関係を低く評価していること等が要因となり得ることが分かった.またこれらの組合せによって異なる方策が必要なことが示唆された.