自然災害科学
Online ISSN : 2434-1037
Print ISSN : 0286-6021
論文
総合的な水系内貯留能力評価に基づく 流域治水方策検討手法に関する研究
和泉 征良中西 一宏久保 裕基永谷 言小島 裕之角 哲也
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2024 年 43 巻 1 号 p. 137-153

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抄録
近年,日本国内では,計画規模を上回る洪水の発生頻度が増加傾向にあり,増大する災害外力への対応が逼迫した課題である。本研究では,全国一級水系を対象に水系内を細区分したサブ流域を設定したうえで,サブ流域単位毎に,治水施設としてダムのみでなく,農業用ダム,既存の遊水地・ため池,水田貯留を考慮した既存貯留能力を算定し,これに基づき水系全体の貯留能力を評価した。その結果,複数の仮定条件下ではあるものの,流域治水対策による貯留能力を相当雨量評価で整理し,全国マップを作成することにより,国内の水系を同一尺度で評価することを可能とした。今後,本研究で作成した全国マップが新規ダムサイト候補地の選定等,数多くのシーンで活用されることを期待する。
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© 2024 日本自然災害学会
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