青少年問題
Online ISSN : 2758-6758
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学校臨床における「ドローイング・ダイアログ」による面接プロセスの展開
絵や図を描くことによる気づきと理解の促進
中村 博美
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2025 年 3 巻 1 号 p. 3-14

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抄録
小中学校におけるスクールカウンセリングを行う上での課題の一つに,対象者の言語能力の未発達性がある.言語的表現が発達段階にある児童生徒は,自分の状況や心情の正確な理解・表現に困難を抱える.その困難に対応するべく,臨床場面では従来から児童生徒の表情や動作に注目したり,絵や図を用いる等多様な工夫が展開されている.本研究では,その一方法である児童生徒の心情や状況を絵や図に描き,相互に確認しながら話を深める対話を「ドローイング・ダイアログ」と枠づけし,面接プロセスにおけるその意義と効果について検討した.その結果,「ドローイング・ダイアログ」を用いることで,①本人の心情や状況をより正確に理解することやその内容を本人に確認することが可能となる,②本人も気がつかなかった状況や心情が発見される,③本人の心情や状況を概観できる等の3つの意義と効果が明らかになった.
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© 2025 青少年問題学会
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