日本経営工学会誌
Online ISSN : 2432-9983
Print ISSN : 0386-4812
段取り時間を考慮した製品在庫コスト最小化のスケジューリング
世古口 謙二宮崎 茂次太田 宏
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1989 年 40 巻 2 号 p. 90-96

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抄録
受注生産方式の下では, 完成品の在庫時間は, 各製品の生産完了時刻から納期までとなる.本報文では, この製品在庫時間と単位時間当りの保管費用との積を製品在庫コストと定義し, 納期遅れを起こさないとの条件のもとで, 総製品在庫コストを最小にするバックワード・スケジューリング法を提案する.すべての製品について納期が同一の単一工程モデルにおいて, 段取り時間がジョブの順序づけに依存しない場合には, 製品の生産時間を単位時間当りの保管費用で除した値の小さい順に時間軸の後方から順序づければ最適解となることを示し, また, 段取り時間がジョブの順序づけに依存する場合の最適解法を分岐限界法を利用して提案する.この解法の計算時間が問題の性質, とくに段取り時間や単位時間当りの保管費用のばらつきによってどのような影響を受けるかを検討する.また, 実際問題にこの解法を適用する方法を示す.
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© 1989 公益社団法人 日本経営工学会
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