抄録
本研究では, 株価変動機構をフィードバック・システムとして促え, その特性分析を行なった.すなわち, 内生的変数として株価および外生的変数としての固有雑音から構成されたフィードバック・システムとして提え, 多次元自己回帰モデルによる同定法を適用してインパルス応答関数およびノイズ寄与率を推定し, 株価相互間の関係分析を行なった.ビール会社3社の株価に対して分析を行なった結果, 現実の状況を反映した有意な関係を見いだすことができ, 株価変動機構をフィードバック・システムとしてモデル化を行なうことの妥当性を確認することができた.