岩手医科大学歯学雑誌
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症例報告
顎関節症の臨床検査について
小守林 尚之矢富 秀樹関山 三郎
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1977 年 2 巻 1 号 p. 36-40

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抄録

最近の2年10ヵ月間における顎関節症95症例について初診時臨床検査を施行した。

検査は, 血液一般検査, 尿一般検査およびCRP, RA, ASL-Oの血清学的検査を行なった。血液一般検査では, 赤血球数は, 正常値の範囲のものは80例中72例(90.0%), 血色素量は, 79例中51例(64.6%), 白血球数は, 4,000~8,000/mm3 の範囲では79例中69例(87.3%)で, 8,000/mm3以上のものは7例あった。血沈値(1時間平均値)は, 66例中50例(75.8%)が正常値の範囲内であった。尿一般検査は約10%に異常値を示した。血清学的検査を行なったものは80例で, 陽性反応を示したものは, CRPは8例(10.0%), RAは2例(2.5%), ASL-Oは3例(3.7%)であったが, 3項目とも陽性を示したものはなかった。リウマチの既往を有する4例は, いずれも陰性であった。

今回の95症例の臨床検査の結果においては, 異常値を示したものと本症の全身的背景を示す要因との関連性は明らかでなかった。

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1977 岩手医科大学歯学会
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