地質学雑誌
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巡検案内書
モデル実験から理解する沖積河川の堆積・侵食・地形発達作用
成瀬 元
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2023 年 129 巻 1 号 p. 441-452

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抄録

このワークショップでは,堆積地質学で用いられるモデル実験を体験し,その意義について議論する.まず,小型の水路を使って沖積河川を模した実験を行う.この実験では沖積河川を流れる土砂の流量や粒度を変化させ,河川地形に与える影響を検討する.水路の下流端に堰を設け,海や湖・ダムへそそぐ河川の地形発達作用を観察する.次に,簡便な数値モデルを用いて2種類の数値実験を行う.一つ目の実験は土砂流量を変化させることで起こる河川地形変化を再現する.二つ目の実験は水平2次元格子モデルによるベッドフォームの形成実験である.計算領域の格子間で土砂を流入・流出させ,ベッドフォームが発達し移動する様子を観察する.これらの実験を通じて,モデル化により複雑な自然現象の本質を抽出することの楽しみが参加者に伝わることを主催者は期待している.

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© 2023 日本地質学会
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