抄録
見学コースは,香美市土佐山田町から香美市香北町にかけて分布する黒瀬川帯南帯の地層見学で,田代(1985)による南海層群の模式地とされている地域である.南海層群の地帯帰属を考察するために,南海層群の南側に分布するペルム紀付加体,南海層群基底部礫岩,テチス型二枚貝フォーナとされている二枚貝類の産出地点を観察する.その後,南海層群と断層で接し,ジュラ紀後期から白亜紀最前期の地質年代を持つ美良布層模式地に移動し,Kilinora spiralis群集,Loopus primitivus群集,Pseudodictyomitra carpatica群集の放散虫と海生・汽水生の二枚貝類の産出層準を見学するとともに砕屑岩・石灰岩からなる堆積相を観察する.また,美良布層のジュラ系白亜系境界についても検討する.