日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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経乳頭的膵管生検・膵液細胞診にて術前診断し得た,膵管拡張を伴わないpTS1膵癌の1例
高澤 磨野田 裕小林 剛伊藤 啓洞口 淳藤田 直孝
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2006 年 48 巻 8 号 p. 1585-1591

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抄録
 患者は75歳男性.早期胃癌の内視鏡治療後の経過観察にて施行した腹部超音波検査で,膵体部に約12mm大の低エコー腫瘤を認めた.ERPでは主膵管に片側性の微小陰影欠損を認め,同部位の経乳頭的生検,膵液細胞診にて腺癌と診断,小膵癌の診断で膵体尾部切除術を施行.病理学的に高分化型管状腺癌であった.膵管に微細な変化を認めた場合,生検や膵液細胞診等の経乳頭的アプローチが質的診断に有用で,pTS1膵癌の早期診断につながると考える.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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