日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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過誤腫性ポリープ内に高分化腺癌のみられたPeutz-Jeghers症候群の1例
相馬 光宏渡辺 晴司佐藤 剛利北川 朋子小池 裕二木村 泰昌目良 秀哉田中 俊英有里 智志加藤 法導宮本 光明並木 正義西川 祐司小川 勝洋
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1993 年 35 巻 9 号 p. 2180-2187

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抄録
 症例は32歳の男性.主訴は血便.口唇・手指・足蹠に粟粒大の黒褐色色素班を認めた.胃全体に山田I ~III型の数mm大のポリープが散在しており,十二指腸球部と上行脚にもポリープを認めた.さらに,全大腸に有茎性から亜有茎性のポリープを多数認め,Peutz-Jeghers症候群と診断,経内視鏡的大腸ポリペクトミーを施行した.下行結腸の25×17mm大,山田IV 型過誤腫性ポリープの表層に約1mmの高分化腺癌の小病巣が認められ,その周囲には明らかな腺腫性病変は見られなかった.本症に大腸癌が合併したとする本邦報告は自験例を含め49例58病変見られている.自験例の大腸ポリープは腺腫組織を介さずに直接癌化した可能性が示唆された.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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