日本消化器内視鏡学会雑誌
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ポリペクトミーにより止血せしめた白血病に合併した出血性大腸ポリープの1例
小畑 伸一郎木村 圭志前田 和弘佐藤 昌彦水谷 純一山口 哲也川村 亮機高月 清
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1990 年 32 巻 2 号 p. 457-460_1

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抄録
 内視鏡的ポリペクトミーの適応に関して,一般に血液疾患,出血素因のあるものは,禁忌とされている.今回,77歳男性,白血病症例で出血をきたした直腸ポリープに対し,術前に血小板輸血を行い出血時間を正常範囲内に改善した後にポリペクトミーを施行し止血せしめた.その後,基礎疾患増悪によってDICを生じ,全身の出血傾向著明となり脳出血にて死亡したが,剖検時,直腸にはポリペクトミーの部分からの出血は認められず,ポリペクトミーによる止血の有用性が認められた.形態学的にポリペクトミー可能で,術前に血小板輸血等の処置により,止血機能を正常化させうるならば,血液疾患,出血素因のある患者でも通常のポリペクトミーは,安全に行い得ると思われた.特に,本例のごとく出血症状があるものに対しては,積極的に試みられる価値があると思われる. 内視鏡的ポリペクトミーの適応に関して,一般に血液疾患,出血素因のあるものは,禁忌とされている.今回,77歳男性,白血病症例で出血をきたした直腸ポリープに対し,術前に血小板輸血を行い出血時間を正常範囲内に改善した後にポリペクトミーを施行し止血せしめた.その後,基礎疾患増悪によってDICを生じ,全身の出血傾向著明となり脳出血にて死亡したが,剖検時,直腸にはポリペクトミーの部分からの出血は認められず,ポリペクトミーによる止血の有用性が認められた.形態学的にポリペクトミー可能で,術前に血小板輸血等の処置により,止血機能を正常化させうるならば,血液疾患,出血素因のある患者でも通常のポリペクトミーは,安全に行い得ると思われた.特に,本例のごとく出血症状があるものに対しては,積極的に試みられる価値があると思われる.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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