日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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試作極細径大腸ファイバースコープの使用経験―Total Colonoscopyへの応用について―
佐賀 啓良斎藤 雅雄坂本 憲正宮城 リカルド目黒 高志武田 宏司林下 尚之大滝 敏裕三谷 亮子吉田 純一浅香 正博松嶋 喬宮崎 保
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1989 年 31 巻 2 号 p. 422-427_1

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抄録
従来の大腸ファイバーより更に細径である大腸内視鏡XCF-P(オリンパス社製)を試作し,その有用性について検討,報告した.本機種は軟性部外径9.0mmであり,最小彎曲径の測定より特にシャフト部が非常に柔らかいことが示唆された.14歳~85歳の合計113例を対象として,Sliding Tubeを用いX線透視下にTotal Colonoscopyを行ったが,盲腸までの到達率は96.5%,平均到達時間は13.8分で,われわれが以前試作したCOL-MSに比べ挿入にやや時間を要した.また,終了後の被検者のアンケート結果では,非検者の苦痛は従来の機種より軽かったが,COL-MS以上の向上は見られなかった.柔らかいために横行結腸から深部への挿入にむしろ困難を伴う場合があり,細径であってもある程度以上の硬度を保つ必要があることが示唆された.また,最小彎曲径の測定は内視鏡の硬さ,弾性の指標として有用と思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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