日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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胃過形成性ポリープの癌化例の検討
長南 明道望月 福治池田 卓豊原 時秋藤田 直孝李 茂基長野 正裕村上 大平矢野 明小林 剛安藤 正夫下瀬川 薫下田 忠和
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1989 年 31 巻 2 号 p. 344-351

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抄録
過去7年間に当センターで内視鏡的に胃ポリペクトミーを施行された413例581病巣のうち胃過形成性ポリープ(HP)は387例554病巣,95.4%であった.このうち癌化例について組織学的および内視鏡的に検討を加え,以下の結論を得た. 1)HP癌化例は12例12病巣,全HPの2.2%であった. 2)組織学的にはFoveolar typeが11病巣,Intestinal typeが1病巣であった.また,癌巣はポリープの頂上近くに存在し,周囲に腺腫を合併したものはなかった. 3)内視鏡的には表面粗大顆粒状,白色粘液付着,出血を伴うものが多かった.また,なかには発赤を伴う明らかな陥凹面を有するものもあり,内視鏡診断の一助になる可能性が示唆されたが,一般に通常内視鏡所見からHP癌化例とHPを鑑別することは困難であると考えられた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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