日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
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内視鏡的硬化療法の合併症
―とくに内視鏡的栓塞療法を中心に―
小林 幸雄高瀬 靖広近森 文夫折居 和雄岩崎 洋治福富 久之
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1986 年 28 巻 6 号 p. 1246-1253

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抄録
 われわれは食道静脈瘤症例に対し,1977年10月から,1985年3月までに,内視鏡的栓塞療法による内視鏡的硬化療法を336例に施行した.施行336例について,主要合併症発生例は,12例(3.6%)で,その内容は,食道狭窄3例,食道胃接合部びらん出血2例,腎機能障害2例,血性胸水1例,食道びらん出血1例,血圧低下1例,食道静脈瘤出血1例,食道穿孔1例であった.そして,これらの合併症の原因のほとんどは,技術的要因によると思われた.しかし,主要合併症発生例は,いずれも保存的治療法により治癒退院しているので,本治療法では手技を正しく施行し,また合併症に対する対応を適確に行えば,合併症による死亡例を,極めて低くおさえることができると思われた.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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