日本消化器内視鏡学会雑誌
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十二指腸にのみ虫卵を認めた日本住血吸虫症の1例
伊部 晃裕西川 邦寿剛崎 寛徳五十嵐 良典鈴木 金剛藤沼 澄夫伊東 明美竹中 希久夫土方 淳沢井 寛人酒井 義浩
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1985 年 27 巻 12 号 p. 2792-2796_1

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抄録
 消化管分布上比較的稀な十二指腸にのみ日本住血吸虫卵を認めた1症例を経験したので報告した.症例は69歳男性,心窩部痛を主訴に来院.上部消化管内視鏡検査で十二指腸球部に小隆起性病変を認め生検,組織学的検索にて本症と診断した.現在,日本住血吸虫症の報告は減少してきているが,無症状に経過している感染者はまだ相当数存在すると考えられており,合併症の問題も十分解明されていない.今後,濃厚感染地域での生活歴のある症例や,罹患を疑わせる症例への積極的な生検を含めた内視鏡による検診体勢が必要と考える.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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