日本消化器内視鏡学会雑誌
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新型パピロトーム(ID-1819,2019)の使用経験
小野 美貴子相馬 智
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1983 年 25 巻 1 号 p. 125-128

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抄録
 太径の新型パピロトーム(旭光学,ID-1819,2019)を用いて10例の内視鏡的乳頭括約筋切開術を施行した.このパピロトームは刃の形状が"ふかのヒレ"型をしており,歪力に強く,変形しにくい.刃の出る部分は,パピロトーム先端から15mmにあり,ここから30mmまでの部分が切わたり"である.先端部のカニューレは,口側縦ヒダを強調させるのみならず,嵌屯結石の突き上げや,切開前後のカニュレーションに適している. "ひれ"の背の部分は切開に使用され,小切開(minicutting)にも使用できる。また,手元側はテフロンで被覆され,スコープへの漏電を防止している.パピロトームは1.8mmφ(ID-1819)では右に向いてしまい方向是正が困難であったが,2.0mmφ(ID-2019)では解消された. 10例全例に満足すべき切開口が得られ,従来の機種より有用である事が証明された.
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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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