抄録
胆のうadenomyomatosis(segmental type)の1例とその腹腔鏡所見を報告した.症例は46歳,女性で,上腹部痛,微熱を主訴に入院した.一般検査では特に異常を認めなかった.経静脈性胆のう造影と内視鏡的逆行性膵胆管造影で,砂時計形の胆のう変形を認めた.胆のう切除術を施行し,組織学的に胆のうadenomyomatosis (segmental type)であった. 胆のうadenomyomatosisの腹腔鏡所見は未だ報告されていない.本症例の胆のうは腫大し,乳白色,一部淡紅色の色調変化,多数の細血管と漿膜下出血を認めた.胆のうと周囲臓器との癒着は観察されなかった. 今後更に多数の症例の所見を検討する必要があると思われる.