日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
内視鏡を用いた十二指腸内異物摘出の1経験例
八百坂 透近間 敏治石 昌事堀田 彰一塚越 洋元須賀 俊博三和 公明村島 義男
著者情報
ジャーナル フリー

1979 年 21 巻 8 号 p. 995-998_1

詳細
抄録
 内視鏡を用いた上部消化管内異物の摘出に関する論文は近年増加している.従来耳鼻咽喉科領域で行われた主に食道内異物に対する硬性鏡による除去にとって代わり,ファイバースコープを用いての摘出が今日主流となってきている.内視鏡器械の救良とともに鉗子器具の工夫改良が行われ,小さく粘膜を傷つける恐れのない鈍的な異物はもちろん,相当大きなものまで安全かつ容易に摘出されている現況は大変よろこばしい事である. 従来の報告のほとんどは食道ないし胃内の異物であるが,われわれは今回十二指腸下行脚内に48日間とどまっていた小児用歯ブラシを内視鏡的に摘出し得た症例を経験した.長期間体内にとどまっていた点,しかも十二指腸下行脚であった点,そして長さ14cmの歯ブラシという点で文献上稀有なるものと思われるので症例報告する.
著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
前の記事 次の記事
feedback
Top