抄録
オーブン加熱終了後の肉の温度変化(余熱)に及ぼす加熱条件ならびに放置媒体の種類と覆いの有無等の影響を実測により検討した。さらに,簡略化した伝熱モデルを用いた数値計算により余熱を含めたオーブン加熱における肉中心部の75°C保持時間の予測を試みた。
熱物性の異なる3種類の放置媒体(ステンレス,木,ごとく)を用いたところ,放置中の肉中心部の温度変化に顕著な差は認められなかった。これは,放置媒体とオーブン角皿の接触面積が小さいことに起因すると推察される。覆いによる余熱の効果は大きいことが実証できた。簡略化した計算モデルを用いて肉中心部における75°C保持時間を予測した結果,実測結果と同様の傾向が得られ,モデルの有効性を明らかにすることができた。