抄録
【はじめに】私は、ガルーダの研究において「鳥は天空と太陽の、蛇は大地と水の対立する宇宙の二大要素を象徴している。鳥と蛇を宇宙の対立概念とする象徴主義はメソポタミアで生まれた。この考え方は人々の下意識に潜んで、ユーラシア大陸全域に伝わり、社会の基層文化に深く沈みこんでいった」という仮説を立てました。
この仮説を実証するために旅(フィールドワーク)を続けて来ました。そして、その上で今世紀になって確立したDNA の研究をもとに発展した分子人類学の成果である現生人類の単系統説が私の主張を間接的であったとしても、支えてくれるのではないか、と期待しています。